実践事例紹介

統計学

2016/04/05

基本情報

担当教員名 望月 雅光
手法
難易度
ワーク 個人ワーク、グループワーク
規模 大教室

教育目標

本科目は、経営学部1年生を対象にした必修科目であり、週2回4単位の集中授業である。到達目標は、「母集団からの標本のとり方、母集団、標本の違いが理解でき、多数のデータが標本として与えられたときに、平均、分散、標準偏差が求められるようになること」、および、「これらのデータから母集団のパラメータの推測ができ、仮説の検定ができる等、基本的な統計テクニックが駆使出来るようになること」の2点である。本科目は、数学が苦手と思い込んでいる典型的な文系学生を対象としており、学生のレベル差も大きかったため、反転授業とジグソー法を組み合わせた実践を行った。反転学習は、授業外学習の確保が鍵になるが、ジグソー法を組み合わせることにより、学生同士が教え合い、予習が不十分な学生の理解度も担保できたと考えている。

授業概要

反転授業は、事前学習の後、対面授業が行われ、その後に事後学習として学生は授業中に行った演習課題をまとめたレポートを提出する。本授業における事前学習と対面授業の概要は以下のようである。

1.事前学習

事前学習では、インターネット上に広く公開されている「科学の道具箱」という教材を使用し、予習ノート(対話ジャーナル)を作成させた。この教材は、主な利用者として高校生を想定しているが、多くの内容が文系の学生にとっては、初めて学習する内容であるため本授業で使用した。対話ジャーナルは、右側に友人からの内容についてコメントできるようなっており、友人の疑問に答えてあげられるようになっている。学生には、3名以上の学生からコメントをもらうように義務付けた。

2.対面授業

対面授業では、授業の初めに予習ノートの相互点検を行った後、ジグソー法を行った。ジグソー法の流れは以下の通りである。

(1)学生は事前に決められた学習範囲を予習してくる。(前週の授業で、例えば第1章を勉強してくること等が指示されている。)

(2)授業中に3人のグループ(ホームグループ)を作り、予習範囲を3つに分割して、ランダムに担当を割り当てる。例えば、第1章のうち第1節を学生A、第2節を学生B、第3節を学生Cに割りあてる。

(3)割り当てられた担当ごとに約6名のグループを作る。このグループを専門家グループと呼ぶ。例えば、各節を担当する学生だけのグループを作る。

(4)15分程度、専門家グループでは、予習してきた内容を確認しつつ、わからなかった部分をお互いに教えあう。グループ内で結論がでないなら、同じ節を担当する別のグループに聞きに行ってもよい形をとっている。わからないことはどこまでも自分たちで何とかするように心がけさせるためである。

(5)(2)で作った3人のグループに戻り、15分間で、自分が担当する節について、説明していく。これで決められた学習範囲について、疑問点がないようにお互いに教えあい理解を進める。

このときの様子を観察していると、優秀な学生が教えることの難しさを知り、本当に理解できていないのではないかと葛藤する様子や、友達に教えてもらうほうが教員より聞きやすく、わからないことを放置せずに、しっかり友達に教えてもらっている様子が見受けられた。また、安直に答えや結果を質問するのではなく、理解しようとする姿勢も徐々にふえ、答えあわせだけで終わりにする学生がほとんどいなくなった。授業の最初のころには予習をしてこなかった学生でも、何度かこのジグソー法を繰り返すと、わからなくても教科書に目をとおしてくるようになる様子も覗えた。