実践事例紹介

「文章表現法b」

2016/04/04

基本情報

担当教員名 山下 由美子
手法
難易度
ワーク 個人ワーク、グループワーク
規模 中教室

教育目標

本科目では、大学で求められるレポートを書くための基礎力の養成を指導課題とし、最終的に自ら設定したテーマで、2500~3000字程度のレポートを書くことを学習目標としている。本科目は、看護学部の必修科目だが、書くことに苦手意識を持つ学生も多い。そのため、書くことへの苦手意識を軽減させる取り組みとして、看図作文を取り入れた。

授業概要

看図作文とは、絵や図を読み解かせ、その内容を文章にさせていく作文指導法であり、絵図の読み解きは、学習者に「おもしろさ」を感じさせる活動である。導入の目的は以下の3点である。

  1. 楽しみながら取り組むことで書くことへの苦手意識を軽減する。
  2. 様々な患者と接する看護師として、自分の一方的な見解だけで患者を判断することなく、多面的な視野を持って患者の状況や背景を推察する必要性を学ぶ。
  3. 大学生として根拠に基づいた考えや主張をしていくことの必要性を理解し、それを文章で表現するための訓練をする。

本授業の目的であるレポート作成との関連性から、授業開始直後の週で導入した方が効果的であると考え、第二回目の授業で導入した。

授業では、まずウォーミングアップとして、鹿内(2013)からダウンロード可能な写真を見せた。写真から飛行機が離陸前か着陸後かを考えさせ、その際学生には、意見だけでなくその理由をグループのメンバーに伝えるよう指示した。この活動は、文章化する前段階として、特に3つ目の目的を意識させるためである。

次に、「頭を抱える男性」「泣いている幼児とその子をあやす二人の女性」「表彰状を渡す人、受け取る人、その様子を写すカメラマン」が写る3枚の写真を見せ、それぞれを「現在」の時点とした。そして、過去・現在・未来の時系列で、2つの視点からストーリーを作成させた。まず個人で取り組み、作成したストーリーはシートに記入させた。そのうえで、グループで共有させ、一番面白かったストーリーまたはグループで新たなストーリーを作成させ、発表させた。この活動では、特に2つ目の目的である、多面的な視野を持たせることを意識させるため、グループで共有させ、対象が同じでも様々な見方・捉え方があることを学ばせた。

最後に、根拠に基づいた意見や考えを、読み手を意識しながら文章で表現することを訓練していくために、下図のイラストについて、「過去(何があったのか等)」「現在(どのような状況・状態か等)」「未来(どうなるのか、どうするのか等)」を踏まえて、2つの視点から1000~1200字以内でストーリーを作る課題を出した。なお、視点については、「視点例1:絵の中の男性」「視点例2:看護師、医者、家族、友人など」とヒントを与えた。

参考文献 鹿内信善編著『協同学習ツールのつくり方いかし方』ナカニシヤ出版、2013

イラストの出典 独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター「HIV感染症及びその合併症の問題を克服する研究班」http://www.haart-support.jp/aboutHIV/1_1.htm

 

図 看図作文課題用イラスト
図 看図作文課題用イラスト