実践事例紹介

「保育内容総論II」

2016/03/25

基本情報

担当教員名 角田 冨美子
手法
難易度
ワーク 個人ワーク
規模 中教室

教育目標

保育内容を様々な角度から学ぶことによって、子どもの姿の捉え方や育ちを理解する。さらに、観察の機会や仲間との共同研究によって、保育実践の多様さを知り、他の領域や科目につなげていく。

授業概要

本授業では、保育内容を総合的に捉える視点を実践に即して形成する学習を行う。そのためにまず、保育の一日の内容、各年齢における子どもの幼稚園生活の内容、そして、保育所や小学校との異同・連携について学習する。そのうえで、現代における保育内容の課題について実態を調べ、幼児期の望ましい保育内容を考える。

プロセスチャートのワークは、本授業15回分のうち、4回分(第3週~)で行っている。これら4回分の授業で学生は、1人の子どもの3~5歳を追った市販DVD『3年間の保育記録』(神長美津子・小田豊監修:下記URL参照)を見て、プロセスチャートを作成する。なお、このプロセスチャート・ワークを行う前の授業(第1、2週)では、学生は本授業「保育内容総論Ⅱ」の位置づけ、保育園と幼稚園の違い、小学校との違いについて講義で学んでいる。

プロセスチャート作成の授業の1回目(第3週)では、0~2歳までの乳児・低年齢児について講義したあと、プロセスチャートのねらいと手順を次のように説明している。

プロセスチャートのねらい

  1. 授業のねらいの1つは、”学ぶ姿勢”を育むことです。むろん学ぶ姿勢とは、本来、自ら育むものです。それには、自分で自分の学び(学習・研究)を評価・反省する力(自己評価力)が必要です。
  2. 成長のプロセスチャートは、3歳児りょうが君の成長を入園から幼稚園終了の5歳3月までの3年間の成長記録を映像を通してみていきます。3歳児のりょうが君は、初めての不安な姿から、沢山の友だちに出会い、刺激を受け、時にはぶつかり合いながら育っていきます。りょうが君が友だちや先生と暮らした3年間を通して、どのように育っていくかを分析的かつ総合的に捉えていきます。それらを通して、幼児期の教育の大切さを学び取ってください。

プロセスチャート作成の手順

  1. 授業第5週ではりょうが君の入園から夏休みまでを見ていきます。見終わっってから印象に残ったりょうが君の行動を思い起こし、ラベルに記述しましょう。その後、記述について説明をしますが、続いて後半の2学期から3月までを見ていきます。前半は38分、後半は35分です。授業第6週は4歳の頃です。授業第7週は5歳です。
  2. 次に、その行動について、感じたこと、気付いたことなど、行動の意味づけをして下さい。教師のささえや援助など、教師の役割も大切な視点です。これは、宿題となります。
  3. その記録を手がかりに、何が育ってきているのか、考察をしましょう。例えば、基本的な生活習慣・遊びへのとりくみ・人間関係など、総合的に捉えて、幼児期の教育について理解しましょう。

このとき学生には、自分が焦点化するテーマとして、たとえば、「発達」における生活習慣の流れ、人間関係、遊び、先生とのかかわりなど、1つまたは2つ決めてもらっている。

作品提出日は、5歳時の記録(第6週)を見た授業の約1ヵ月後である。期日までに、学生は自宅で宿題として作品を完成して提出する。作品の形は、紙芝居風、絵本風など、学生によって異なる<写真参照>。作られたプロセスチャート作品は、学生が卒業後、幼児教育に関わる際の貴重な参考資料になる。

DVDを見るだけでは、学生は子どもの一時点を取り上げた感想を述べるだけで、浅い学びに終わってしまう。しかし、プロセスチャートの作成を行うことで、学生は時間経過を意識し、子どもの成長の原因にも目を向けるようになり、幼児の成長の早さに対する理解や幼稚園に対する理解を深めていく。すなわち、子どもが何かをやろうとする意欲・心情や態度を育てるという幼児教育のなかで、保育者である幼稚園の教師はどのように子どもを援助しているのか、子どもと教師のかかわりについて具体的なイメージを持てるようになる。学生の多くは幼稚園だけでなく小学校教員の免許も取得を希望しているため、幼小の連携を考える際にも有意義な内容となる。

『3年間の保育と記録』岩波映像(監修・解説:神長 美津子・ 小田 豊 、  説:赤石 元子 )

http://www.iw-eizo.co.jp/sell/child/00/child00_001.html

<学生から提出されたプロセスチャート作品>クリックすると拡大表示されます
<学生から提出されたプロセスチャート作品>クリックすると拡大表示されます